「ショコラティエ」という言葉を耳にすると、思わず胸がときめく方も多いのではないでしょうか。
『失恋ショコラティエ』というドラマが放送されてから一気に注目度が上がった職業です。
繊細で美しいチョコレートを生み出す姿は、まるで芸術家のよう。
スイーツ好きにとっては憧れの職業であり、「いつか自分もなりたい」と夢を抱く人も少なくはありません。
しかし実際には、ショコラティエとはどんな仕事をしているのか、パティシエとの違いや必要な資格は何か、など意外と知られていない部分も多いです。
さらに、日本や世界で活躍する有名ショコラティエや人気ブランドを知ることで、ショコラティエという職業に対する知識もグッと深まります。
この記事では、ショコラティエの仕事内容から資格取得の道のり、そして憧れの有名店までを徹底解説。
読んだあとには、チョコレートがさらに美味しく感じられるはずです。
ショコラティエとは?

「チョコレートを作る人=ショコラティエ」というイメージを持つ方は多いでしょう。
しかし、その役割や定義は意外と奥が深いのです。
ここでは、ショコラティエという職業の本当の意味を説明します。
パティシエとの違いも解説します。
ショコラティエの定義と語源
「ショコラティエ(Chocolatier)」とは、チョコレートを専門に扱う菓子職人のことを指します。
フランス語で「チョコレート」を意味する chocolat に由来しており、洋菓子職人=パティシエの中でも、特にカカオやチョコレート製品に特化した職業です。
ショコラティエは単にお菓子を作るだけではなく、カカオ豆の産地や品質の見極め、テンパリングと呼ばれる温度調整、オリジナルデザインや味まで、チョコレートを1から作り出す技術者として活躍しています。
パティシエとの違い
「ショコラティエ」と「パティシエ」は同じように感じますが、専門分野に大きな違いがあります。
- パティシエ:ケーキ、タルト、マカロンなど幅広い洋菓子全般を手がける
- ショコラティエ:チョコレート菓子に特化し、原料の選定から完成までの細部を追求する
つまり、ショコラティエは「チョコレートのスペシャリスト」であり、同じ洋菓子職人でも扱う素材や目指すところが異なります。
近年では、日本でも「〇〇ショコラティエ」と肩書きを掲げるブランドや職人が増えており、チョコレートはますます人気になっています。
また、ショコラティエが作るチョコレート=高級スイーツという新しいイメージも根付いてきています。
ショコラティエの仕事内容

ショコラティエはチョコレートを専門分野にしていることがわかりましたが、具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか。
1日の流れを説明していきます。
日常業務の流れ(仕込み~販売まで)
ショコラティエの1日は様々ですが、ワトソンカッフェのショコラティエの1日をサンプルとしてご説明します。
まず午前中行うのは仕込みです。
カカオやチョコレートの状態を確認し、テンパリング(温度調整)によって理想的な光沢と口溶けを引き出します。
その後、ガナッシュやプラリネなどのフィリングを作り、ボンボンショコラやトリュフへと仕上げていきます。
午後は、製品の仕上げやデコレーション、包装作業を行い、店舗やオンラインで販売するチョコレートを準備します。
販売を担当する場合は、お客様への丁寧な説明や接客も大切な仕事です。
代表的なチョコレート製品(ボンボンショコラ・トリュフなど)
ショコラティエが作るチョコレートには、実はさまざまな種類があります。
代表的なものは以下の通りです。
- ボンボンショコラ:ガナッシュやキャラメルを薄いチョコレートでコーティングした一粒チョコ
- トリュフ:クリームやガナッシュを丸め、ココアやチョコレートで覆ったもの
- タブレット:素材や産地ごとの味わいを活かした板チョコ
- ボンボンリキュール:お酒を閉じ込めた大人向けのショコラ
いずれも「美味しい味」と「見た目の美しさ」の両立が求められ、芸術的な表現力が発揮されます。
必要とされるスキルと知識
芸術家のようなかっこいい職業であるショコラティエ。
もし目指すなら、以下のような専門的スキルと知識が必要だと言われています。
- チョコレートの科学的知識:カカオの種類、脂肪分、風味の違いを理解する
- 技術力:テンパリング、型抜き、コーティング、細工の技術
- 創造力:独創的なフレーバーやデザインを考案する力
- 衛生管理:食品衛生法に基づいた管理
- 接客力:お客様にチョコレートの魅力を伝える力
つまりショコラティエは、職人であると同時にアーティストでありサービス提供者でもあるのです。
ショコラティエになるには?

憧れの職業の1つであるショコラティエになるには、どのようなことを学べば良いのでしょうか。
必要資格や学校、そして就職する際に必要なスキルについて、具体的に紹介していきます。
必要な資格や試験はある?
実は、ショコラティエになるために必須の国家資格は日本には存在しません。
ただし、以下のような資格や検定を取得しておくと、専門知識やスキルの証明になり、就職や独立の際に役立ちます。
- 製菓衛生師(国家資格)
製菓全般に信頼性が高い資格 - 菓子製造技能士(国家資格)
洋菓子製造における技術力を評価する資格 - チョコレート検定・ショコラティエ資格など(民間資格)
専門知識やトレンドを学ぶきっかけに
資格そのものが必須ではないものの、基礎知識+技術力の証明として取得を目指す人が多く、おすすめです。
専門学校・製菓学校での学び方
「ショコラティエになりたいな」と思った方は、まず製菓専門学校や調理専門学校に通って基礎を学びましょう。
一般的な専門学校では以下のカリキュラムを学ぶことが多いです。
- 洋菓子全般の基礎(スポンジ、クリーム、タルトなど)
- チョコレートの基礎知識(カカオの種類、テンパリング)
- 実習を通じた作品制作
- 食品衛生、店舗経営、接客などの実務スキル
中でもフランスやベルギーの製菓学校では、世界的に通用する技術を学ぶことができます。
帰国後に早速独立してブランド立ち上げたり、高級ホテルに就職できるケースもあります。
独学・海外留学・修行の方法
一般的には専門学校に通うことが多いですが、学校に通わずに現場経験や独学でスキルを磨く道も存在します。
- 独学
書籍やオンライン講座、チョコレート検定などで独自に基礎を学び、家庭で実践する - 現場修行
パティスリーやチョコレート専門店に就職し、業務内で技術を習得 - 海外留学
フランスやベルギーのショコラティエに弟子入りし、本場の技術を吸収
このように、ショコラティエを目指す道は一つではなく、「基礎 → 現場での応用 → 独自のスタイル確立」という流れで成長していくのが一般的です。
ショコラティエのキャリアと年収

ショコラティエになるにはどのようにキャリアアップをしていけば良いかを解説します。
新人~独立までのキャリアパス
ショコラティエのキャリアは様々ですが、一般的に以下のステップをたどります。
- 見習い・アシスタント
製菓学校卒業後や就職直後は、チョコレートの仕込み・清掃・補助など基本的な作業からスタートします。 - ショコラティエ(職人)
テンパリングやガナッシュ作りを任されるようになり、商品開発やデザインにも携わります。 - シェフショコラティエ
工房や店舗の責任者として、レシピ開発・製造管理・後輩指導を行います。 - 独立・ブランド設立
自身のチョコレートブランドや専門店を立ち上げ、オリジナル商品を発信。
国内外のコンクールに出場したり、百貨店への出店を目指す人も少なくありません。
このように、経験を積むごとに見習いからアーティストへとステップアップしていくのが一般的です。
年収・給与の目安
ショコラティエの年収は、実は幅が広いです。
経験や勤務先、肩書きによって大きく変わります。
- 見習い・アシスタント:年収 200万〜300万円前後
- 職人クラス(3〜5年目):年収 300万〜450万円前後
- シェフショコラティエ(責任者):年収 500万〜700万円程度
- 独立・有名ブランドオーナー:年収 1000万円以上も可能
日本国内では飲食業の給与水準と同じような上がり方です。
しかし、技術と経験次第で高収入を目指せる夢のある職業でもあります。
特に、海外や高級ホテル勤務、コンクール受賞の経験がある場合は、給与水準が上がります。
成功するショコラティエに共通する資質
単にチョコを作るだけではなく、ショコラティエとして名を馳せていく人の共通点を探しました。
- 探究心
カカオの産地・焙煎・発酵など原料への深い知識を持つ - 独創性
他にはないデザインやフレーバーを生み出す発想力 - 経営力
店舗運営やブランド戦略を考える視点 - 体力
長時間の立ち仕事や、重たい道具を運ぶ体力
つまり、ショコラティエは「職人」と「アーティスト」と「経営者」のどこも欠かせないお仕事であり、総合力が成功のカギとなります。
有名なショコラティエとブランド
世界には名だたるショコラティエたちが存在しますが、チョコレート人気の高い日本でも高い評価を受けるショコラティエが多数います。
そこで、ここでは代表的なブランドをご紹介します。
チョコレートの世界をより身近に感じてみましょう。
世界的に有名なショコラティエ(フランス・ベルギーなど)
チョコレート文化の本場であるヨーロッパは、世界的に有名なショコラティエが数多くいます。
- ピエール・マルコリーニ(Pierre Marcolini/ベルギー)
カカオ豆の買い付けから焙煎までを一貫して手掛ける「ビーントゥバー」の先駆者。
洗練されたガナッシュで有名。 - ジャン=ポール・エヴァン(Jean-Paul Hévin/フランス)
エレガントで独創的なチョコレートで知られ、日本にも多数の店舗を展開。
ショコラティエを代表するブランドの一つ。 - パトリック・ロジェ(Patrick Roger/フランス)
チョコレートを彫刻のように扱うアーティスト。
大胆なデザインとフレーバーの組み合わせで高く評価されている。
これらのショコラティエは単なる菓子職人にとどまらず、チョコレートを芸術作品へと昇華させる存在として世界的に認められています。
日本の人気ショコラティエとおすすめショップ
日本でも世界に通用するショコラティエがいます。
- 土屋公二(ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ)
日本におけるショコラティエ文化の第一人者。
幅広い層に支持されるチョコレートを展開。 - 三枝俊介(パレ ド オール)
日本発の高級ショコラブランド。
素材の持ち味を生かした上品な味わいで有名。 - 小山進(パティシエ エス コヤマ)
独創的な発想と技術で数々の国際コンクールで受賞。
世界的にも注目される存在。
こうした日本のショコラティエは、フランスやベルギーで修行を積んだ後、独自のスタイルを確立しています。
日本のチョコレート文化を牽引していく存在です。
ワトソンカッフェのショコラティエ
弊社ワトソンカッフェのショコラティエである岡田も、海外経験を積んで日本でショコラティエとして活躍している1人です。
経歴
- S.Okada(上海)
- TWG tea Indonesia
エグゼクティブペストリーシェフ - ATELIER de GODIVA 池袋(アトリエ ドゥ ゴディバ)
シェフパティシエショコラティエ - ワトソンカッフェ
現在に至る
現在のショコラティエになるまでの道のりを聞きました。
ショコラティエになりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
S.Okada

上海のパティスリーにて店舗の立ち上げから携わりました。
原材料の選定から包装まで全てを1から担当し、貴重な経験となりました。
TWG tea Indonesia

インドネシアのTWGにエグゼクティブペストリーシェフとして入社し、スイーツの製作や商品開発を行いました。
中秋節の月餅や、バレンタインのケーキなどを毎年考えていました。
ハイブランドからの注文をいただくことも多く、お客様として抱えていました。
30人のパティシエが所属しており、コミュニケーションは英語が主でした。
ATELIER de GODIVA 池袋

池袋にあるATELIER de GODIVA(アトリエ ドゥ ゴディバ)でシェフパティシエショコラティエとして入社。
7年間にわたってケーキ、パフェ、ショーピース作りなどに携わりました。
バレンタインイベントでのチョコレートオブジェはお客様の前で順番に作り上げましたが、完成した時にいただいた反応は忘れられないものとなっています。
ショコラティエとチョコレート文化

そもそもショコラティエという職業はどのようにして生まれたのでしょうか。
経緯をご紹介します。
ヨーロッパにおけるチョコレートの歴史と職人文化
チョコレートはもともと中南米で「神の飲み物」とされていたカカオが起源ですが、17世紀以降に初めてヨーロッパに伝わり、上流階級の嗜好品として広まりました。
特にフランスやベルギーでは、チョコレート文化が広がり、チョコレートの職人がショコラティエとして独自の地位を築きました。
- フランス
芸術性の高いショコラ(ボンボンショコラ、ガナッシュ)文化が根付く - ベルギー
プラリーヌ(詰め物入りチョコ)の発祥地として知られる - スイス
ミルクチョコレートや滑らかな口どけを追求し世界的に普及
こうしてヨーロッパでチョコレート文化が発展したため、ショコラティエは単なるチョコレート職人ではなく、食文化を象徴する存在として尊敬されています。
日本におけるチョコレート文化の広がり
日本ではチョコレートは20世紀初頭に輸入され、本格的に普及しました。
戦後の高度経済成長期には板チョコやチョコ菓子として一般家庭に広がり、一気に人気が出ました。
1980年代以降はヨーロッパのショコラ文化が紹介されたことで、「高級チョコレート」が人気を集めるようになりました。
- バレンタインデー文化
日本独自の「女性から男性へ贈る」という習慣が定着し、市場が急拡大 - デパート催事の人気
フランス発の「サロン・デュ・ショコラ」は日本でも毎年大盛況のイベント - 和素材との融合
抹茶・柚子・黒胡麻など、日本独自の食材を取り入れたショコラが登場
現在では「ギフト」だけでなく「自分へのご褒美」として楽しむスタイルも定着し、ショコラティエ文化の浸透が進んでいます。
バレンタインデーやイベントとの関係
特に、日本のショコラティエ人気を支えているのが、バレンタインデーイベントです。
- バレンタインデー
義理チョコ・本命チョコに加え、友チョコ・自分チョコ・推しチョコ・逆チョコなど多様化 - ホワイトデー
バレンタインデーのお返し文化として市場を拡大 - サロン・デュ・ショコラ
世界の有名ショコラティエが集結する祭典
限定商品や直接交流できる機会が人気
これらのイベントは、単なる商業的な習慣にとどまらず、ショコラティエの作品を知り、楽しむ文化的イベントとして定着しています。
ショコラティエを体験するには?

「将来はショコラティエになりたい!」「ショコラティエに憧れる」という方におすすめなのが、ショコラティエ体験です。
現在は教室やイベント、オンライン講座まであり、気軽に参加できる方法がたくさんあります。
チョコレート作り体験教室
ショコラティエの仕事を気軽に体験できる方法として、チョコレート作り体験教室があります。
- 製菓学校や専門店が主催するワークショップ
プロの指導を受けながら、テンパリングやボンボンショコラの制作を体験できる - カフェ併設の体験型施設
観光地や百貨店イベントで気軽に参加できる - 親子向け・初心者向けコース
楽しみながらチョコレートの魅力に触れることが可能
実際にやってみることで、ショコラティエの繊細さや奥深さを実感できます。
イベント・フェスティバルへの参加
世界や日本で開催されるチョコレートイベントに参加すると、一流ショコラティエの作品を直接体験できます。
- サロン・デュ・ショコラ(フランス発、伊勢丹でも開催)
世界のトップショコラティエが集結し、限定品や実演を楽しめる。 - チョコレートフェスティバル(各地の百貨店や観光地)
地元のショコラティエから有名ブランドまで多彩な出店。 - カカオ農園やフェアトレード関連イベント
チョコレートの背景にある文化やサステナビリティも学べる。
イベントに足を運ぶことは、味覚のアップデートと職人技の理解につながります。
オンライン体験・動画講座
最近では、オンライン教室も増えています。
- オンラインワークショップ
材料キットが送られ、Zoomなどで講師と一緒にチョコ作りができる - オンデマンド動画講座
自分のペースで学べるので、基礎から応用まで幅広く対応 - SNS・YouTube
人気ショコラティエがレシピや製造過程を公開していることも
これらを活用すれば、自宅にいながら本格的なショコラ作りを体験できます。
まとめ
ショコラティエとは、チョコレートを専門に扱う職人です。
単なる製菓技術者ではなく、芸術性と創造性を兼ね備えた存在です。
ヨーロッパから始まったショコラ文化は、日本でもバレンタインデーやイベントを通じて広がり、今では多くの人にとって心が躍る特別な存在となっています。
この記事では以下のポイントを解説しました。
- ショコラティエの定義と役割
- 必要な資格やスキル、進路の選択肢
- ショコラ文化とイベントの関係
- ショコラティエを目指す人へのアドバイス
- 体験できる場所や方法
ショコラティエの世界は材料から経営まで幅広く、学び続けるほど新しい発見があります。
もし少しでも興味を持ったなら、体験教室や将来の夢として調べてみるのがおすすめです。
甘美なチョコレートの世界に触れることで、きっとあなたの人生も少し豊かになるはずです。